NITRO COMP(ニトロコンプ)V1とV2の違い|タンク有無で変わる塗装体験と選び方
据え置き型のエアブラシ用コンプレッサーを検討する際、候補に挙がりやすい代表モデルが NITRO COMP(ニトロコンプ) V1 / V2 です。
両者は同系統のエンジンを積んだモデルですが、使い勝手や運用スタイルを左右する“決定的な違い”があります。
「自分にはどっちが合っているの?」「高い方がいいの?」
そんな疑問を持つ方へ向けて、本記事ではV1とV2の違い、エアタンクの役割、そして意外と知られていない「後付けタンク」による運用テクニックまでを整理し、どちらを選ぶべきかを明確にします。
目次
1. V1とV2の根本的な違いは「エアタンクの有無」
結論から言うと、V1とV2の最大の違いは エアタンクがあるかどうか です。
● NITRO COMP V1:タンクなしモデル
PROFIXブランド初の据え置き型として登場。コンパクトながら、圧倒的なパワー(圧力・風量)が特徴。
● NITRO COMP V2:タンク一体型モデル(3L)
本体下部に3Lのアルミタンクを内蔵した構造。いわゆる「タンク付き据え置き型」として最初から完成した構成。
重要なのは、「コンプレッサー本体(エンジン部分)の機械的性能はV1・V2で同一」という点です。
つまり、パワーに差はありません。選択の基準は「タンクがあることで何が変わるか」になります。
2. エアタンクがもたらす3つのメリット
エアタンクには、塗装の質と機材の扱いやすさを底上げする明確な役割があります。
① 脈動(みゃくどう)の抑制
タンクを介さないエアは、ピストンの動きに合わせて「ワン、ワン」とした空気の波(脈動)が出やすくなります。
タンクを通すことで空気が一旦貯められ、均一化されてから送り出されるため、非常に滑らかなエア供給になります。これにより、微細なグラデーション塗装でもムラが起きにくくなります。
② 水吹きの防止
タンクは圧縮空気を冷やし、水分を分離する「巨大なドレンフィルター」の役割も果たします。湿気がタンクの底に溜まるため、ハンドピース側へ水分が流れにくくなり、塗装中の水吹きリスクを大幅に低減できます。
③ コンプレッサー寿命の延長
タンク付きモデルは、タンク内の圧力が規定値に達するとオートスイッチでモーターが停止します。
塗装中もモーターが止まっている時間(休憩時間)ができるため、熱を持ちにくく、製品寿命が延びやすくなります。
3. V1は「別売りタンク」で後から進化できる
ここが重要なポイントです。「V1はタンクがないから劣っている」わけではありません。
V1は、後から外付けエアタンク(T-25)を接続することで、タンク付き運用にアップグレードが可能です。(通称「アルティメットV1」)
この「セパレート運用」には、一体型のV2にはない独自のメリットがあります。

設置の自由度(隙間活用)
V2はタンクの上にモーターが載っているため、「縦方向の高さ」が必要です。
一方、V1+外付けタンクは、本体とタンクを「分離配置」できます。
- 音の出るコンプレッサー本体は足元へ
- タンクとレギュレーターだけを手元の机上へ
このように分散させることで、机の上のスペースを広く使ったり、家具の隙間に収納したりと、環境に合わせたパズルのような配置が可能になります。
メンテナンス性(水抜き)
一体型のV2は重量があるため、設置場所によっては底面の水抜きコックへアクセスしにくい場合があります。
一方、別体タンクは軽く、ホースで繋がっているだけなので、タンクだけを持ち上げて水抜き作業を簡単に行えます。
4. 実際の選び方|用途別の考え方
では、V2のメリットは何でしょうか?それは「完成された一体型であること」です。
ホースでの接続が不要なため、エア漏れのリスクが最も少なく、配管がスッキリします。また、縦積み構造なので設置面積(フットプリント)は最小で済みます。
ご自身の環境に合わせて選んでみましょう。
- 最初から最高の環境で始めたい(買い足しなどが面倒)
- 机の上に置く予定だが、設置面積(横幅・奥行き)を最小限にしたい
- 配管などをスッキリさせたい
👉 一体型でコンパクトにまとまる「V2」
- 初期費用を抑えてスモールスタートしたい
- 机が狭いので、本体を足元に置くなど配置を工夫したい
- 後から必要に応じてタンクを買い足すスタイルがいい
👉 自由度が高く拡張性のある「V1」
5. 【コラム】ヘビーユーザー向けの「2台運用」という選択肢
「将来的に大型モデルなどの全塗装をガンガンやりたい」という場合、V1を買っても無駄にはなりません。
実は、コンプレッサーを2台持ち(V1とV2など)し、「メタリック用」と「クリアー用」などでハンドピースごとに直結して使い分ける運用もあります。
分岐させて1台を共有するよりもエアロスがなく、いちいち色変えの洗浄もしなくて済むため、効率を最優先するモデラーには究極の選択肢として知られています。
結論|選択の軸は「設置場所」と「スタイル」
V1とV2、心臓部のパワーは同じです。迷った時の決め手は以下です。
- 「省スペース(設置面積)」と「手軽さ」なら V2
- 「配置の自由度」と「拡張性」なら V1
エアタンクの有無は、仕上がりの安定性だけでなく、水抜きの手間や設置方法にまで影響します。
あなたの模型デスクを想像しながら、ぴったりの一台を選んでください。
【プロモデラー コジマ大隊長の解説】