UAZ 452とは?60年以上愛される「働く四駆」の歴史と魅力

WPL JAPAN | UAZ 452

便利じゃない。速くもない。
それでも欲しくなる。
UAZ 452という「クルマ」の歴史

1950年代に原型が生まれ、60年以上にわたって使われ続けてきた4WDバン、UAZ 452。 最新のSUVとは正反対にいるこのクルマが、なぜ今見てもこんなに魅力的なのか。 その歴史を辿ります。

WPL JAPAN COLUMN

クルマは、ずいぶん賢くなりました。 キーを差し込まなくてもエンジンはかかり、高速道路では前のクルマとの距離を保ち、車線から外れそうになればステアリングまで修正してくれます。 静かで、快適で、安全で、燃費もいい。

数十年前のクルマと比べれば、その進化は明らかです。

それでも、ある程度いろいろなクルマを見て、乗って、大人になった今、昔のクルマに妙に目を奪われる瞬間があります。

細いステアリング、大きなアナログメーター、鉄板を閉めたときの音。 エンジンを始動した瞬間、シートまで伝わってくる振動。

今のクルマなら、できるだけ取り除きたいものばかりでしょう。 けれど、そのノイズの中には確かに、機械を自分で動かしている感覚がありました。

便利になりすぎた今だからこそ、少し面倒で、少し不完全な機械が面白く見えてくる。

そんな感覚を持つ人に、一度知ってほしいクルマがあります。

UAZ 452。

UAZ 452 実車  Photo: Alf van Beem / Wikimedia Commons / CC0

01 クルマというより道具や農機具に近い

UAZの歴史は、華やかなモーターショーから始まったわけではありません。

第二次世界大戦中の1941年、ドイツ軍の侵攻を受け、モスクワにあった自動車工場の設備や人員の一部が、東へ離れたウリヤノフスクへ移されました。 これが、後のUAZ、ウリヤノフスク自動車工場へとつながっていきます。

そこで求められたのは、所有すること自体がステータスになる乗用車ではありませんでした。

人を運ぶ。 荷物を運ぶ。 舗装されていない道を走る。 厳しい環境でも動き、何かあればできるだけその場で直せる。

必要だったのは、確実に仕事を果たすクルマです。

今の感覚で言えば、クルマというより道具や農機具に近かったのかもしれません。

便利な機能をどれだけ積み込めるかではなく、必要な場所へ確実にたどり着き、そこで役割を果たせるか。 それこそが、UAZのクルマづくりの原点でした。

02 1958年「小さく、積めて、どこでも行ける」を形にした

1950年代、UAZの開発陣には新たな課題が与えられます。

車体はコンパクトに抑えたい。 一方で、人や荷物はできるだけ多く載せたい。 当然、道路が整備されていない場所でも走れなければなりません。

その答えとして1958年に量産を開始したのが、後のUAZ 452へとつながるUAZ-450です。

UAZ 452の原型となったUAZ-450
UAZ-450 UAZ 452へつながる原点となったモデル。
Photo: Retired electrician / Wikimedia Commons / CC0

UAZ-450は、運転席を車体の前方へ配置するキャブオーバー型を採用しました。

長いボンネットを持たせるのではなく、限られた全長の大部分を人や荷物のために使う。 そして、そこへ本格的な四輪駆動機構を組み合わせています。

どうすれば多く積めるのか。 どうすれば悪路を走れるのか。 どうすれば壊れにくく、壊れたとしても直しやすくできるのか。

そうした要求を一つずつ積み重ねた先に、この独特な形が生まれました。

機能を追い続けた結果、

美しくなった。 

古い工具やランタン、機械式時計、昔のアウトドア用品に惹かれる人なら、この感覚は理解しやすいのではないでしょうか。

デザインのために機能を装うのではなく、必要だったから、その形になっている。

その潔さが、何十年という時間を経ても魅力として残っています。

03 1965年 UAZ 452へ

UAZ-450は改良を重ね、その役割を次世代のUAZ-452シリーズへと譲っていきます。

エンジンやトランスミッションなどには変更が加えられましたが、クルマづくりの根本にある考え方まで変わったわけではありません。

頑丈なフレーム、四輪駆動、リジッドアクスル、リーフスプリング。

現在のSUVと比べれば、驚くほど古典的な構造です。

今なら電子制御でタイヤの空転を抑え、走行モードを選択すれば、クルマ側が路面状況へ合わせてくれます。

一方のUAZ 452は、もっと単純です。

ギアが噛み、シャフトが回り、デフを介してタイヤへ力が伝わる。 荒れた路面から受ける衝撃は、リーフスプリングが受け止めます。

機械が、そのまま仕事をしている。

四駆やバイクを触ってきた人なら、この分かりやすさにむしろ安心感を覚えるかもしれません。

何が動いているのか想像できる。 何か起きたときに、どこを見るべきなのかも想像できる。

現代のクルマが「考えなくても使える道具」だとすれば、UAZ 452は、理解しながら向き合う道具だったと言えます。

1958
UAZ-450

UAZ 452へとつながる4WDキャブオーバー車が量産へ。

1965
UAZ-452

UAZ-450の思想を受け継ぎながら、次世代シリーズへ移行。

1974
累計100万台

UAZの累計100万台目として、452系バンがラインオフ。

現代
変わらないことが個性になる

時代に合わせて改良を続けながらも、「働く道具」としての根本思想は受け継がれています。

04 実用性で生き残ったクルマ

UAZ 452の歴史を面白くしているのは、最初からマニア向けの特殊な四駆として生まれたわけではない点です。

人を運び、貨物を積む。 救急車として患者を運び、農業やさまざまな作業の現場へ向かう。

生活や仕事に必要だったからこそ、使われ続けてきました。

つまり、珍しいから残ったクルマではありません。

必要とされ、実際に使えたから残ったクルマです。

ここは、古いランドクルーザーやジムニーにも通じる部分があります。

最初から「趣味の四駆」を目指したのではなく、本当に道の悪い場所へ入り、そこで仕事を果たすことで価値を証明してきた。

評価された場所は、ショールームではなく現場です。

だからこそ、スペック表だけでは説明できない説得力があります。

傷が付いた方が、格好よく見える

UAZ 452は、もちろんピカピカに磨かれた個体も魅力的です。

ただ、少し使い込まれているくらいの方が、このクルマには似合うように思えます。

ルーフにプラットフォームを取り付けたUAZ 452
USE IT. FIX IT. MAKE IT YOURS. 用途に合わせて手を入れ、使い続ける。
Photo: Georg Pik / Wikimedia Commons / CC0

乾いた泥が残ったタイヤ。 少し色褪せた塗装。 屋根に積まれた荷物。 何度も開閉されたドアや、細かな傷の残った鉄板。

そうしたものがUAZ 452では、単なる「使用感」ではなく、そのクルマが過ごしてきた時間の表情になっていきます。

履き込んだデニムや革製品、煤で黒くなった焚き火台、何年も使っている工具。

新品の状態が完成形なのではなく、使い続けることで自分の物になっていくものがあります。

UAZ 452も、そちら側のクルマなのでしょう。

05 古いクルマが、いま新しく見える理由

近年、1980年代から2000年代前半頃までの、いわゆる「ヤングタイマー」と呼ばれるクルマが改めて注目されています。

少し前なら単なる「古い中古車」として扱われていたBMWやメルセデス、ボルボ、フォルクスワーゲン、そして国産車。

それらを、今あえて選ぶ人が増えています。

面白いのは、それが単純な懐古趣味ではないことです。

生まれる前のクルマを選ぶ人に、本来の意味での「懐かしさ」はありません。

彼らが惹かれているのは、シンプルな造形やアナログな操作、直しながら乗れる機械、そして人と被らない個性なのではないでしょうか。

UAZ 452は年代だけで言えば、ヤングタイマーよりさらに古いクルマです。

ただ、「今あえて古いクルマを選びたくなる理由」という意味では、驚くほど近い場所にいます。

今では失われたものが残っているから、格好いい。

シンプルな構造、機械を操作している感覚、そして自分で手を入れられる余白。 便利さと引き換えに少しずつ薄れていったものが、UAZ 452には今も残っています。

30代後半から50代くらいになると、「一番新しい」「一番高性能」という理由だけでは、物を選ばなくなる人も多いのではないでしょうか。

もちろん性能は重要です。

ただ、いろいろなものを買い、使ってきたからこそ、長く使えるか、触って面白いか、自分なりに付き合えるか、背景に物語があるか、といったことの方が気になってくる。

最新のSUVには、ほとんど欠点がありません。

静かで、快適で、安全で、速い。 それは間違いなく優れたことです。

でも、欠点がないことと、愛着が湧くことは必ずしも同じではありません。

UAZ 452はその逆にいます。

少し変で、不便で、癖がある。 万人に薦めやすいクルマでもありません。

それでも、「これが好きだ」と言える理由がある。

歳を重ねてからの趣味は、案外そういうものの方が長く残るのかもしれません。

06 そして、UAZ 452を1/12のRCカーに

ここまでUAZ 452の歴史を知ると、少し実車が気になってくるかもしれません。

ただし、古典的な設計の輸入車を実際に所有するとなれば話は別です。

保管場所や整備環境、部品のことまで考えると、誰にでも簡単に薦められるクルマとは言えません。

それでも、この形が好き。 この道具感が好き。

そして、UAZというクルマが積み重ねてきた背景ごと楽しみたい。

そんな人に提案したいのが、WPL JAPANのUAZ 452です。

WPL JAPAN / UAZ 452

見た目だけではなく、走りまでUAZらしく。

WPLのUAZ 452は、公式ライセンス済の1/12スケールRCです。

独特なボディをハードボディで再現するだけでなく、駆動方式には4WDを採用。 さらに、実車のキャラクターにも通じるリーフスプリング式サスペンションを備えています。

舗装された広い場所を、とにかく高速で走らせるためのRCではありません。

土や砂利、草、小さな段差を、ボディを揺らしながらゆっくり進んでいく。

その姿を低い位置から眺めていると、UAZ 452というクルマが持つ「働く四駆」らしさが、小さな車体から伝わってきます。

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大人になった今、もう一度「機械で遊ぶ」

子どもの頃、ラジコンを分解した。 ミニ四駆を少しでも速くしようとした。 プラモデルを塗り、自転車やバイクをいじった。

初めて買ったクルマには、必要なのかよく分からないパーツまで付けた。

今思えば、完成させること以上に、触っている時間そのものが楽しかったのかもしれません。

現代では、買った瞬間から完成しているものが増えました。

それらは間違いなく手軽で便利です。

でも、ときどき少し面倒で手間のかかるものが欲しくなる。

自分で操作し、自分で考え、少し失敗して、また触る。

UAZ 452が60年以上残してきたものも、WPLのRCで遊ぶ面白さも、そのあたりにあるのではないでしょうか。

60年以上続いてきた「働く四駆」を、今度は自分の手で。

久しぶりに、「機械で遊ぶ大人」に戻ってみるのも悪くありません。

PHOTO CREDIT

UAZ-452 / Alf van Beem / Wikimedia Commons / CC0
UAZ-450 / Retired electrician / Wikimedia Commons / CC0
UAZ-452 with platform / Georg Pik / Wikimedia Commons / CC0